ファイナンシャルプランナーオフィスのテヅカプラニング

TEL:0265-72-1846

明るく豊かな生活実現のお手伝い

《コラム 令和元年から》

テヅカプラニング

有限会社

1 投資が広まらない理由

 

「貯蓄から投資へ」といわれ始めて何年が過ぎただろう。金融ビックバンといわれた時期からすると20年ほど経ったことになる。この20年間には多くの金融商品制度が登場したが、現在に続くヒット制度は見当たらない。これは多くの人がお金を預貯金に預けたままで投資には向いていないことの表れである。

 

リスクのマイナス側面ばかりに注目

 

投資未経験者に「何故投資をしないのか」と尋ねると、余計なお世話といわれながら「損をするのが嫌だから」と答えが返ってくる。投資は得をすることもあれば損をすることもある。未経験者が注目するのは、損の方ばかりである。

日本の株式市場ではバブル崩壊、ブラックマンデー、リーマンショック等相場の下落時が印象深く記憶されている。下落する前には上昇した相場があったにもかかわらず、下落時をいつまでも記憶している。

 

このマイナス側面に注目し記憶にとどめる傾向は、人間の動物としての本能によるものと思われる。リスクにはプラスとマイナスの両面があるが、人が敏感に反応するのはマイナス側面ばかりだ。マイナス側面は危険と同一で、放っていたら即命の危険につながる。

微かな音や物の動きが身の危険に及ぶかどうか認識する前に逃走や回避、闘争モードに変化する。じっくり見極めていれば、動物社会ではその間にやられてしまう。

 

動物には種の保存システムが備わっているので、危険察知は瞬間的で本能的である。この種の保存システムが最も発達したおかげで人間が地球上で繁栄している。

現在人は動物としての身の危険察知はほとんど不要だが、動物として組み込まれた本能が自動的に作動する。

 

本来リスクにはプラスとマイナスがあり、マイナスのほうがプラスより3倍の威力で受け止められるといわれている。よってプラスマイナス10%の変動を伴う投資には関心を示さない。マイナス10%に対してプラスが30%あれば、初めて投資をしようかと考えるだろう。

 

一括投資はギャンブルと似ている

 

投資というとまとまった金額を一度に投ずるイメージがある。まとまったお金を持っているのはお金持ちであり、お金持ちしか投資はできないと思われている。

実はまとまったお金の一括投資は精神的に後悔を招き易い。投資の際は上昇か下落の50対50であるので上昇期待半分で投資する。投資をしてもいつ下がるかビクビクした状態が続いている。

 

売却時は必ずといっていいほど後悔が伴う。売却後相場が上昇したら、もう少し待っていれば良かったと思うだろう。一方相場がジリジリと下がっていけば、今売却すれば損が確定する。損の確定を嫌がれば益々下がり、やがて相場を見ようともしなくなる。大きな損失の下で売却すれば二度と投資には手を出すまいと誓うかもしれない。

 

一括投資は投資のタイミングに左右されることが多く、底で買って山で売ることはプロでも難しいといわれている。まして投資のたびに山谷を見極めるのは神業である。

またまとまった金額の一括投資はギャンブルと似ていて、お金を殖やすというよりは投じたお金でワクワク、ドキドキを楽しむ行為のようだ。自分の運や勘を頼りに一か八かの賭けにお金を投ずる。ギャンブルは高揚する気分を楽しむので本来損得の結果はどうでも良いはずだ。

 

世の中にはギャンブル(投機)と投資が同一に思われているところがあり、投資家は不心得物扱いされがちである。真面目に汗をかいて稼いだお金は尊く、不労所得は卑しいと思われている。そんなメンタル効果や誤解から投資がいつまで経っても広まらないのだろう。

 

 

有限会社テヅカプラニング 〒396-0013 長野県伊那市下新田3110-4  TEL0265-72-1846 FAX0265-74-7722

Copyright(C) Tezuka Planning Corporation. All Rights Reserved