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長野日報土曜コラム 令和1年11月23日掲載

159 時には守銭奴のように

 

生活防衛の必要性

 

新聞のおくやみ欄を見るたびに人生100年は確実に近づいている。実際に100歳を超えて亡くなる人が稀ではなくなった。70代で亡くなれば若くして亡くなったと思われる。

 

人生が長くなればやりたいことがある人にとっては多くのことができるので嬉しいことだが、長く生きるにはそれなりにお金がかかる。退職後2,000万円必要と言われれば納得しながら、この先どうやっていこうか不安が高まる。

 

老後生活の頼りは何といっても年金収入である。新しい年金制度が導入され物価の変動が直接年金額に反映されるわけではなくなった。現役世代の収入の半分程度を支給することを目指している。これは現役世代の収入が減れば老齢年金にも影響する。

 

また最近消費税率が2%アップして10%になった。これ以上上がらないならば我慢して受け入れるが、欧州ではもっと高い国があるとすでに今後の上昇をうかがわせる話が出回る。歯止めなく上昇を続ける予感がする。

 

専門家に今後の社会保障費の負担を考慮すれば20%でも足りないといわれれば、現在の10%の時代が少しでも長く続き、その間に自分の生涯が終えられることを期待する。それでも子や孫の生活を考えれば憂いは尽きない。

 

温暖化のせいか自然災害が激しさを増している。高齢になってから住居や家財を失うことはこれまでの積み上げた人生を失うことでもあり本当につらい。再建を図ろうとすれば高齢になり改めて住宅ローンを組むことができるのか返済はできるのか不安である。

 

また今後同様の災害が予想されるならば再建しても無駄になりかねない。いっそこの地を離れて暮らすか、悩みは尽きない。将来火災保険料も上がるといわれ、老後の不安は増すばかりである。

 

退職後必要とされる2,000万円には災害や事故、病気、介護など想定外の出来事がどこまで含まれるだろうか。おそらく何事もなく普通に生活しながら長生きすることにより不足する金額だろう。何とかなるだろうと前を向いても日頃の倹約と貯蓄しか防衛策は浮かばない。

 

守銭奴の特徴

 

守銭奴(しゅせんど)という言葉を聞くことは少ないだろう。決して誉め言葉ではなく、文字から見ても良い意味では使われない。

それでは守銭奴の特徴を拾い出してみよう。とにかく「貯金が好きで損が嫌い」人は嘘をつくがお金は嘘をつかない。お金の価値は絶対であり、人の価値は保有するお金の金額で決定される。金持ちは高く、貧乏人は低いとみている。

 

人の価値など他人が計ることはできないが、保有金額に当てはめれば優劣が付きやすい。お金持ちはそれなりに頑張った結果とすれば分からなくもないが、誰もがフェアに稼いだとは限らない。

 

これと似た感覚で「消費は悪、貯金は善」がある。人はどんなにお金を持っていても減ることに対して抵抗がある。この感覚は人の本能であり守銭奴に限ったことではない。

 

金持ちが節税に知恵を働かせるのはこの感覚だろう。金持ちにとって「納税は悪、貯金は善」かもしれない。しかしお金は使って初めて価値が発揮されるので、使わずに貯めるだけでは偏った感覚である。

 

「常に最安値を探し求める」コストパフォーマンスが高くなければ納得できない。このような特徴は現代人の多くに備わっている。

ネットの価格比較サイトを利用すれば日本中で最も安い価格にたどり着ける。品物には色、形、デザイン、風合い、感触等いくつもの要素があるが、最も優先されるのが価格である。価格が安く他の要素がそれなりの物をコストパフォーマンスが高いと考える。いくらデザインが良くても価格が高ければ満足できない。

 

「判断基準は自分の損得勘定である」自分に得であれば実行し、損であれば却下する。よって無駄と思われる飲み会には参加せず、得がありそうな場合に参加する。

参加費はきっちり1円単位で割り勘とする。もしくは参加費が割り引かれたり、スポンサーが開催するパーティーであれば積極的に参加する。人付き合いは決して良くない。一見合理的にも見えるが目先の損得を優先し、総合的に理に適っているとはいえない。

 

「無駄を嫌い几帳面である」また仕事は好きで残業も厭わない。残業により給料が増えるので仕事を好むが、サービス残業は決して行わない。お金になることは積極的だが、無償ボランティアには参加しようとしない。また寄付や募金活動は無駄遣いと考える。

 

「友人も金儲けの対象」お金は他の人に比べ多く持っていることが多いので、友人からお金を貸してと依頼されることもある。そんな時決してただで貸すことはなく、利息を取って貸す。返済期限が大きく遅れればさらに高い利息を要求する。

 

守銭奴と倹約家

 

これまで見てきた守銭奴の特徴は現在の多くの人に当てはまるだろう。生活を賢く遣り繰りしようとすれば守銭奴と同様な行動になるだろう。

他人が何と言おうと自分や家族の生活を守るために時には守銭奴のような行動は必要である。「うさぎとかめ」「アリとキリギリス」のように最後に笑っていられるためには、良い人だけでは生きてはいけない。多少がめつさとしたたかさがなければ最後に笑っていられない。

 

守銭奴と同義語にはケチがあり、対義語が倹約家になる。守銭奴と倹約家とは似たような行動をとるが、決定的な違いは倹約家は貯金の目的を持っている。

住宅の頭金を作るために貯金をして日々の生活を節約する。将来発生する子供の教育費のために少しでも支出を抑えられるよう工夫をする。

 

使うべきところでは使い、抑えられるところを抑える。使用目的が明確でありそのために貯金をする。自分のことばかりではなく、他人のためにお金を使うことも厭わない。それが人間関係を円滑にして幸せに結びつくならば積極的に使うところである。

 

「返報性の原理」は他人から何らかの施しを受けた場合、人は返さなければいられないという心理が働くので、もらっては返すやり取りを繰り返し互いの関係が深まっていく。この原理は日常生活だけでなくビジネスや恋愛にも活用される。

 

どんなにお金があっても友人が一人もいなければ寂しい人生である。どんなに大親友でも遠くにいれば話す機会はほとんどない。頻繁に会える身近な友人が高齢になれば大切になる。

 

将来の生活は現在の延長線上にあるとは限らない。少子高齢化が進み医療技術が進み益々寿命が延びるも現役就労者が減れば、社会全体及び地域社会も衰える。

漠然と考えれば不安が増大し、その対処法の一つが貯金である。貯金ができる人に限られるが個別の目的を設定できない場合貯金は無制限に拡大する。

 

守銭奴と倹約家の行動の違いは傍から見ればほとんどわからない。自分が使いきれない貯金は子や孫に残す。子や孫が不安な時代を生き抜くために親の遺産を活用するのは当たり前だが、親がもっと有効にお金を使う方法はなかっただろうか。自問することで自分の中の守銭奴を追い出すことができるだろう。

 

 

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