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《コラム 令和元年から》

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17 仕事はお金か生き甲斐か

 

若者の過労自殺や働き盛りのうつ病、部下に対するパワーハラスメント等仕事に関連した事件や事故の発生から働き方の見直しが行われている。

 

そもそも「過労死」という言葉は日本にのみ存在し海外にはないといわれる。実際には全くないわけではないにしても、労災事故は別として仕事を通じて死に至ることや自殺することは海外では少ないかもしれない。

 

人生は楽しく愉快に過ごすためにあり、仕事は楽しく過ごすためのお金を稼ぐ手段と考えれば、過労死は少なくなるだろう。

 

仕事はお金

 

初めて就活する時の企業の選定基準は、高賃金、高福利厚生、有名企業かもしれない。誰でも少ない給料をあえて望む人はいないだろう。

 

今では簡単に賃金水準を企業別に比較することができる。自分の専攻とマッチする企業を高賃金、高福利厚生で選択することは容易である。後はエントリーシートに自分の志望動機を上手にまとめられれば、就活スタートできる。

 

有名企業に就職できれば給与ばかりではなく、退職金や企業年金、有給取得、社員住宅、保養所等福利厚生は充実している。これはお金に換算すれば相当になる。

 

なにより給与も高く福利厚生制度が充実していれば企業選択として安心である。さらに親は子が有名企業に入社することを心から喜ぶだろう。また社内で結婚相手が見つかれば人生の幸せの多くが叶うことになるだろう。

 

今後ますます少子高齢化が進み、国の社会保障制度は先細りになる。時代の変化とともに企業の盛衰は頻繁になる。企業の安定性に対する期待は大きくなる一方である。そのため名前が知られた企業は存続が期待され有利に映る。

 

年収は200万円より400万円、さらに800万円、1000万円を超えればなお結構と思われる。年収や保有資産の多寡が人の価値に影響を与えるように思われがちである。

 

こんな安い給料ではやっていられない。倍の給料を貰わなければこの仕事は合わないなどと聞くことがあるが、本当に倍の給料ではやっていけるのだろうか。おそらく給料が3倍になろうともやっていられないとぼやくかもしれない。

 

仕事は生き甲斐

 

新規大学卒業者の3年以内の離職率は3割を超えている。(厚生労働省)高卒、中卒となればその割合はさらに高まる。また企業規模が大きいほど離職率は低くなる傾向がある。

 

退職事由は労働時間、休暇、休日の条件が良くない、やりたい仕事と異なる、人間関係が良くないと続く。上位の2つは企業案内や会社説明会等である程度認識できても、人間関係は入社してみなければ分からない。新卒者に限らず退職事由の多くは人間関係といわれている。

 

給料が多少低かろうと仕事がきつかろうと職場の人間関係が良ければ、互いに助け合いチームとして業務に当たれば、一人だけ辞めようとは考えづらい。一方職場に自分の居場所がなければ給料の多寡に関係なく辞めるかもしれない。

 

現在の仕事をくだらない馬鹿馬鹿しいと考えればすぐにでも辞めたくなる。同じ仕事でももっと早く簡単にできないだろうか、後工程の作業と重複はないだろうかと改善を考えれば関心は深まる。

 

どんな仕事でももっと良いものにしようと思えば、仕事は面白くなり得られた結果から達成感を感じ、自信が生まれる。本人の意識の中で仕事が苦痛になったり生き甲斐になったりする。

 

自分で選んだ好きな道に進んだ人はお金の多寡など気にせず充実した人生を送っている。このような人は人生に後悔などあろうはずもなく、長生きの傾向が見られる。

 

 

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